テグスとは釣り糸のこと。昔はヤママユガの繭から作り、大変手間がかかる高価なものでした。現在はナイロンやフロロカーボンなどの化学繊維で大量に作られるようになり、安く手に入るようになりました。テグスはとても丈夫で、釣りをする時にはとても便利ですが、この丈夫さが鳥にとっては危険なのです。
どうしてこんなことがおきるの?
使い終わって捨てられたり、枝や岩などに引っかかったまま放置されたりしたテグスに、野鳥が絡まってしまうことがあります。テグスはとても丈夫で、絡まったテグスは鳥自身では切ることも外すこともできません。翼や足に絡まって身動きができなくなり、さらには絡まったテグスがだんだんしまり、血が通わなくなった部位が腐ってとれてしまうこともあります。また、くちばしに絡まってエサを食べることができず衰弱してしまったり長いテグスを引きずって飛んでいて電線や樹木に引っかかってしまい、身動きがとれずに死んでしまうケースもあります。
釣りをするときは
最近は、バクテリアや光(紫外線)などにより数ヶ月で分解される素材のテグスもあります。根がかりや枝がかりなどで回収できない場合、この性質を持つテグスは非常に役立つことと思います。しかし、テグスが絡まったまま、何ヶ月もの間生きていられる鳥はほとんどいません。やはり一番大切なのは捨てないことです。使い終わったテグスは家に持ち帰り、短く切る、針を外すなどして処分してください。また、
バーブレスフック(返しのない針)を使えば、鳥がかかってしまっても外れる可能性が高くなります。少しでも鳥の被害がなくなるようご協力ください。

テグスを飲み込んだセグロカモメ 長いテグスにからまったゴイサギ
(写真: y_storkさん) (写真: 日本野鳥の会愛知県支部さん)
テグス被害の情報募集中!
被害の状況を把握するため、広く情報を集めています。テグス被害にあった鳥を見かけたり、新聞・雑誌・インターネットの記事などがありましたら、見つけた年月日、場所(都道府県・市町村・通称名)、鳥の種名、被害の状況、お名前(ペンネーム可)、連絡先を明記の上
e-mail または FAX でお送りください。なお、救護については都道府県の鳥獣保護担当にご連絡ください。
被害鳥情報の送り先 担当: 普及啓発室 山本
E-mail: yamamoto☆jspb.org (☆を@に変えて送信してください)
FAX: 03-5378-5693
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被害にあった鳥たちの情報は
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テグス(釣り糸)ひろい活動
全国一斉テグス(釣り糸)ひろい2020
今年も下記のとおり、全国の水辺を対象にしたテグスひろいを実施します。テグスによる被害をなくすため、
どうぞご協力ください。

期間 2020年5月1日(金)〜10月31日(土)
対象 全国の釣りが行われている水辺(海岸・河川・湖沼池・ダム湖など)
実施範囲につきましては、可能な範囲で。
方法 水辺を歩き、放置されたテグスと釣具(針・ルアー・おもりなど)を回収します。回収し
たテグス・釣具は種類ごとに分類し、数量を数えてください。
報告 テグスひろい実施後、報告用紙に記入または、同様の内容を、郵便、FAX、E-mailのいず
れかでお送りください。皆さまからの報告をまとめた後、機関誌、ウェブサイトなどで発
表します。
全国一斉テグスひろい2019の結果報告
2019年のテグスひろいは、5月1日(水)から10月31日(木)、6か月の間、行われました。たくさんのご協力、ありがとうございました。結果については、以下をクリックしてご覧ください。2020年もよろしくお願いいたします。
2019結果報告は
こちら>>